橋下徹氏は持論である『決定できない民主主義』からの決別をきちんと理解していない。例えば、『維新版』船中八策では衆議院の優越権の強化などの『決定できる民主主義』への施策が並ぶ一方で、『決定できない民主主義』を強化する首相公選制度が入っているのである。
首相公選制度は、首相のリーダーシップが強められることから『決定できる民主主義』的と理解されるが、実際はイスラエルのように、首相の選出政党が議会第一党と異なり、新たな『ねじれ』を生みかねない。
さらに、参議院廃止と地方首長を中心とした新たな第二院の創設も、現在の地方首長の大半が政党に所属乃至は、選挙の際に『公認』『推薦』を受けていることから、首相の選出政党が、衆議院の第一党、そして第二院の第一党と違う、『トリプル•ねじれ』が起きる可能性もある。これは、『決定できない民主主義』を強化することに他ならない。
さらに、橋下徹氏は府知事時代に、同氏が所属する『大阪維新の会』で府議会の過半数を握っていたにもかかわらず、『教育基本条例』などを『プラスワン方式』で1年以上も店晒しにした前科がある。
『プラスワン方式』とは、府の提出条例を成立させる際に、『大阪維新の会』プラスその他の政党で成立させる橋下氏の議会運営方法である。このため、『教育基本条例』などの議論喧しい条例案は橋下府知事時代は通らなかった。
さらに、大阪市市長になっても、『国旗国歌条例』成立時のように、公明党の賛成により市議会過半数が確実視されているにもかかわらず、8時間以上も自民党と交渉し、妥協し、同条例案を成立させたのである。これも『プラスワン方式』の延長線にあるのであろう。
結局、橋下氏は『独裁者』でも『決定できる民主主義』論者でもないのである。少なくとも、決定できる民主主義を実現するのであれば、『プラスワン方式』や『首相公選制』ではなく、多少乱暴でも、スピーディーに問題を解決することである。



by yuchandaze
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