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橋下徹総理反対論 ニュース記事に関連したブログ

2012/03/02 11:15

 

橋下徹氏は持論である『決定できない民主主義』からの決別をきちんと理解していない。例えば、『維新版』船中八策では衆議院の優越権の強化などの『決定できる民主主義』への施策が並ぶ一方で、『決定できない民主主義』を強化する首相公選制度が入っているのである。

 

首相公選制度は、首相のリーダーシップが強められることから『決定できる民主主義』的と理解されるが、実際はイスラエルのように、首相の選出政党が議会第一党と異なり、新たな『ねじれ』を生みかねない。

 

さらに、参議院廃止と地方首長を中心とした新たな第二院の創設も、現在の地方首長の大半が政党に所属乃至は、選挙の際に『公認』『推薦』を受けていることから、首相の選出政党が、衆議院の第一党、そして第二院の第一党と違う、『トリプル•ねじれ』が起きる可能性もある。これは、『決定できない民主主義』を強化することに他ならない。

 

さらに、橋下徹氏は府知事時代に、同氏が所属する『大阪維新の会』で府議会の過半数を握っていたにもかかわらず、『教育基本条例』などを『プラスワン方式』で1年以上も店晒しにした前科がある。

 

『プラスワン方式』とは、府の提出条例を成立させる際に、『大阪維新の会』プラスその他の政党で成立させる橋下氏の議会運営方法である。このため、『教育基本条例』などの議論喧しい条例案は橋下府知事時代は通らなかった。

 

さらに、大阪市市長になっても、『国旗国歌条例』成立時のように、公明党の賛成により市議会過半数が確実視されているにもかかわらず、8時間以上も自民党と交渉し、妥協し、同条例案を成立させたのである。これも『プラスワン方式』の延長線にあるのであろう。

 

結局、橋下氏は『独裁者』でも『決定できる民主主義』論者でもないのである。少なくとも、決定できる民主主義を実現するのであれば、『プラスワン方式』や『首相公選制』ではなく、多少乱暴でも、スピーディーに問題を解決することである。

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芸人を減らすべし ニュース記事に関連したブログ

2011/08/26 02:58

 

紳助の引退とは、テレビ史を考える上で非常に大きな転換点になるのではないか?

 

月尾嘉男氏の『テレビ界、視聴率至上主義の愚昧』を読んで思ったことは、テレビ界から芸能人を排除することである。氏が書くように、科学番組も、政治番組も芸人が出演するのは異常である。例えば、最初は法律番組として始まった紳助氏の『行列のできる法律相談所』も最近では法律問題は『おまけ』的に最後の10分ぐらい扱うだけで、北村弁護士も『もう、我々はいらないのでは?』と紳助氏に番組内で発言することもあった。(8月21日番組より)ちなみに、同番組は法律番組とは名ばかりに全体の4/5以上を芸人トークで埋めている。

 

それだけでなく、クイズ番組『ヘキサゴン』も最近は番組内での歌手グループ育成がメインになりつつあり、クイズ出題時間は減っている。これらは氷山の一角である。テレビ番組は視聴率と低コスト志向から、スタジオ内での安価で人気のある芸人を呼んでトークをさせたり、歌を歌わせたりするような画一的番組作りに収斂しつつある。その芸人トーク全盛期をつくったのが紳助氏に他ならず、それがM−1優勝候補よりもトークのうまい2位、3位が売れる理由にもなった。

 

個人的には芸人トーク番組は海外の番組にはない『おもしろさ』があり好きなのだが、日本の場合、ゴールデンタイムはそれ『だけ』になり選択肢がなくなりつつあることに残念さを感じる。現在、テレビ局は紳助氏の6レギュラー番組の『後』を考えているようだが、ここは芸人トーク番組から脱却し、専門性の高い番組育成に取り組んだらどうだろうか?

 

最後に、月尾氏の論考についてコメントすると、専門家の『プレゼンテーション能力』とか『情報発信力』が弱いことも事実であり、大学の講義のように眠たい解説をされては低視聴率にもなる。電波芸人と揶揄する声もあるが、専門家もある程度は芸人のトークから『プレゼンテーション能力』を学び、高めれば、それなりに視聴率のとれる番組ができるのではないか?

 

個人的には、紳助氏の後番組として、武田邦彦先生の科学番組や池田清彦先生の生物学の番組など、トーク力と専門知識のある専門家に番組を持ってもらい、より先端を行く番組作りに取り組んでいただきたい。

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スケープゴートとしての紳助 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/26 02:23

 

「マスコミが、芸能ネタなりスキャンダル事件を連日連夜、執拗に報道している時は注意しなさい。国民に知られたくない事が必ず裏で起きている。そういう時こそ、新聞の隅から隅まで目を凝らし小さな小さな記事の中から真実を探り出しなさい。」

 

これは竹村健一氏の言葉である。

 

今回の紳助引退報道で真っ先に思い出したのが2009年夏である。そう、政権交代が行われた2009年夏の総選挙である。選挙戦前半に起きたある2つの芸能事件を覚えているだろうか?そう、押尾学逮捕と酒井法子逮捕である。押尾氏の場合は、8月2日に女性ホステスの死亡に関する保護責任者遺棄罪で、酒井法子氏の場合は逃走劇もあり8月8日の出頭までメディアは連日連夜、芸能ニュースに明け暮れた。

 

このときに一番特をしたのが民主党だった。当時の探偵ファイルはこう書く。

 

『滅茶苦茶なマニフェストが各方面から自民党よりも辛い点をつけられてしまった民主党酒井法子のおかげで紙媒体以外は大して報道されず、ホッと胸をなでおろしていることだろう。』

 

メディアはトップニュースで芸能ニュースを流し、政権をとるであろう民主党のマニフェストの検証もしなかったため、国民は民主党に投票し、冷静な政策論争もないままに政権交代へとなった。

 

その後の報道によると、押尾学氏の裁判3日目に小沢一郎民主党前幹事長の元側近が出廷したり、酒井法子氏の復帰コンサートに民主党現役議員が支援したりと、両者ともに民主党と関係が深いことがわかっている。

 

そして、それから2年後の2011年夏、同じ光景を見ることになったのである。紳助氏の引退である。案の定、メディアは連日トップニュースで報じ、将来の総理大臣を決める民主党総裁選への注目は下がる一方である。その紳助氏も民主党議員である尾立参議院議員と関係がある。デジャブーであろうか?

 

ちなみに、心理学的に言えば、人間は『注意共有メカニズム』があり、他者の注意の先を気にするのであり、マジシャンが行う注意操作にだまされてしまうのである。しかし、マジックのタネがわかったのであれば、二度だまされるのは馬鹿である。これ以上、紳助氏のニュースに注意操作されることに気をつけなければならない。

 

 

 

 

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韓国に学ぶべき訳 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/26 00:09

 

今週のニューズウィークの巻末コラム『Tokyo Eye』を読んで愕然とした。コンヨンソク(権 容奭)氏の『日本は「今の」韓国をモデルにすべきでない』である。内容は一時期の三橋貴明氏が主張していたように、韓国は超競争社会で『格差社会』で、経済成長による『ひずみ』で自殺率も高く、不幸せな社会であると。

 

これらが嘘であることは、日経ビジネスオンラインで連載されている高安雄一氏の『知られざる韓国経済』を読めば一発だ。

 

例えば、超格差社会についてだが、OECDが発表している’’Income Distribution and Poverty in OECD Countries”の2008年版を見ると、所得格差の物差しであるジニ係数では日本は0.321で韓国は0.312と、韓国の方が日本よりも所得格差が小さいことがわかる。相対貧困率も、韓国の方が日本よりも低い。

 

次に、大企業中心経済への批判であるが、韓国のように人口が少なく内需マーケットが小さい場合、外需に頼る国家づくりが必要になる。最近、日本でも外需マーケットにおけるシェア拡大のための大企業の合併(少し前新日本製鉄と住友金属工業など)があるように、基本的に中小企業が乱立しているよりかは超大企業が一つあれば外需マーケットにおける競争は有利である。このことからも、大企業経済が一概に悪い訳ではない。さらに、ERINAの韓国の中小企業に関する2008年のレポートによれば、第一電子など日本の技術力に劣らない中小企業はたくさんあり、近年韓国政府も中小企業支援を本格化させており、時代は変わりつつある。

 

最後に、教育について書く。彼は、親の子供の教育負担が高いことを嘆いているが、韓国政府が発表している家計動向調査によれば、子供が1人の世帯では教育負担は親の可処分所得の14%(2009年)で子供が複数の場合でも17.7%(2人)などで、コン氏の主張するほどは高くない。

 

それだけでなく、長時間の勉強が韓国の青少年をダメにしているから、日本やアメリカは韓国の教育制度を見習うなというが、高校生で9時間勉強するのはそんなに悪いことなのか?逆に、日本の高校生が平均6時間しか勉強しない方が問題ではないのか?

 

最後に、自殺率や貧困率で韓国OECD内でトップクラスだと言うが、自殺率では日本(6位)より下で(韓国8位)、貧困率もジニ係数などを見る限り、特別高いわけではない。

 

ところで、彼の主張が日本の社民党などの反構造改革派の主張に似ていることに気づかないだろうか?そう、彼は進歩派なのである。今、日本に足りないのは『競争』であり『成長』である。そのために、韓国から学ぶことはたくさんある。

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竹森俊平の大嘘 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/25 17:13

 

日経教室といえば、専門家が意見発表をする欄であるが、竹森氏の昨日の日経教室は酷すぎる。彼の主張はポール•クルーグマンのように、米欧が緊縮財政をしているために、世界は不況に突入するので、今こそ財政支出を増やすべきだ、である。しかし、オバマが実施した景気対策の効果は高止まりする失業率を大幅に下げることもなかった上に、議会予算局の試算では長期的にはクラウディング効果などでGDPを引き下げそうだ。

 

 

さらに、近年の研究で、我が国の乗数効果(=財政支出の効果の目安)は1を切っているし、先月発表された内閣府の経済財政白書によると、公共投資を含めた緊縮財政で先進国ではGDPが減るどころか増えているそうだ。

 

すなわち、緊縮財政こそが一番の景気対策なのである。最後に、アメリカの茶会運動を『テロリスト』呼んでいることにも言及しよう。これはアメリカのバイデン副大統領が呼んだことでも有名だが、なぜ止めどの無いアメリカ政府の財政支出を減らすことが『テロ行為』なのか、理解できない。

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多様化する世界、孤立する米国 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/22 22:10

 

アイオワ州で今月初めに行われていた共和党大統領選挙予備選でのディベートは改めてアメリカにおける『孤立主義』の台頭を際立たせた。

 

例えば、『A Foreign Policy of Freedom』もある孤立主義の権威的存在であるロン•ポールイランへの経済制裁の中止、イラク•アフガンからの撤兵、リビアパキスタンなどへの空爆の即時停止などを訴え、会場から割れんばかりの拍手を受けた。リビア空爆に関しては、バックマン下院議員やギングリッチなども唱えており、イラク•アフガンからの撤兵は時期に違いはあるものの共和党内のコンセンサスは出来上がりつつある。

 

しかし、先ほどのポール候補のイラン経済制裁中止についてはその他の候補者から強い反対意見が出ている上に、マケイン上院議員などからも反発が出ており、いまだに『孤立主義』が台頭していると言っても、『国際的介入主義』が強く残っている。

 

一方のオバマ民主党政権はイラク•アフガンからの撤兵を始めており、『多極化戦略』を打ち出すズビグネフ・ブレジンスキーを外交顧問としており、こちらも『介入』から『孤立』への動きが活発だ。これらの背景には、厭戦化する国内世論と弱体化する経済がある。

 

特に、弱体化する経済は深刻で、昨今の財政危機問題などでその一端が露呈している。しかし、米国内でいくら『孤立主義』や『厭戦世論』が高まろうと、米国人には強いコントロール性向があるのは事実である。それに強力な軍事力に裏打ちされたドル基軸体制をも破壊するであろう『孤立主義』をどこまで追い求めるのかは不透明だ。結局、アメリカは今後、経済的事情による『孤立主義』と国民性に根ざした『介入主義』の狭間でもめることになる。

 

そこでオバマ政権が出した答えが『分轄統治』である。例えば中東ではスンニ派シーア派を互いに対立させ、矛先をアメリカに向けさせない方法である。

 

現実に、弱いシーア派(1割)を強いスンニ派(イスラム教徒の9割)に対抗させるために、アメリカイラク撤退決定によりシーア派の勢力拡大を手助けする一方で、シーア派イランに対しては経済制裁以上の対抗策を出さず、イランの傀儡であるヒズボラなどの勢力拡大に対しては黙認している。

 

実はアジアでも、『中国』と『反中国』で分割統治させようとしているのである。その一端が日本政府が決定した与那国島への自衛隊派遣である。すなわち、日本と中国をわざと対立させ、互いにとって敵の敵は味方としてのアメリカを演出させアジアを今後も手中に収める戦法である。

 

日本人はそろそろ気づくべきだ。

 

 

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格付け会社と規制緩和 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/21 01:11

 

円がついに75円台に到達と円高に拍車がかからないが、これはアメリカの財政危機に端を発している。この問題は格付け会社S&Pがアメリカ国債をトリプルAから引き下げたことが原因である。これを受け、アメリカでは格付け企業への規制強化を求める声が高まっているので格付け企業についての考察を書く。

 

格付け会社は規制されなさすぎていると主張するが現在、アメリカには格付け会社としての資格であるNationally Recognized Statistical Ratings Organization (NRSRO) を保有している会社は2011年現在10しか無い。これはNRSROを発行するSECの参入規制が厳しいからである。ちなみに、2001年当時は3つしか無かったことを考えると1年に1社以下のペースで増えていることになる。

 

これはOECDリポートが指摘するように、産業の寡占化と競争低下が格付け産業の問題なのである。そもそも、格付け企業はエンロン事件後の『SOX法』や2006年の格付け会社規制法で、規制強化の方向に進んでいた。例えば、2006年には、一方で参入障壁の透明化が進んだのだが、毎年SECによる証明を受けなければならないなどの厳しい条項が盛り込まれ、たしかに参入企業は増えたが、依然としてS&P、フィンチ、ムーディースの3社寡占体制が続いている。

 

今、必要なのは、格付け産業の完全自由化である。そもそも格付け会社が影響力があるのは国家としての承認を受けているからである。 (NRSRO)これを完全に自由化し、民間の『信用性』で競争させるべきである。そうすれば、エージェント問題も存在しなくなる。なぜならば、国家的承認の無い影響力の低い格付け企業に高い評価を貰うために高い手数料を支払う企業が現れる訳が無いからである。仮にエージェント問題が発生しても、現在のように規制によって守られていないため、早急に倒産するであろう。

 

そもそも、エンロン、サブプライムとこれだけ酷い格付けをしても倒産しないことこそが、規制を通じた国家の後ろ盾の強さを改めて感じさせる。

 

今必要なのは、さらなる格付け産業の規制ではなく、完全自由化だ。

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悪書紹介 新堕落論 ニュース記事に関連したブログ

2011/08/21 00:11

 

近年稀に見る悪書である。石原慎太郎都知事の新著『新堕落論』である。最初から最後まで保守的コミュニタリズムのデマゴーグである。

 

論旨はこうだ。1945年以降、日本国憲法GHQやアメリカの間接支配によって日本国民の精神性は堕落し、国家は危急存亡の危機にある。よって我欲や我慢と言った古き良き日本人の精神性を取り戻してこそ我が国の国難は克服できるとある。

 

もはや、内容は支離滅裂で、突っ込みどころ満載だ。例えば、日本国民の精神性の堕落の例として、増税に反対し社会保障費の増額を要求し財政赤字を膨らます『我欲』の強い日本人を出しているが、そもそもの財政赤字の拡大要因は石原慎太郎都知事のように美濃部革新都政をも超える超バラマキ政策を日本政府がとったことに起因している。(詳しくは石原都知事と保守主義を)

 

それに、石原都知事こそ外形標準課税などの都税増税を行い財政赤字を減らしているではないか!まさか、東京都民は増税にも反対しない『我欲』の(少ないか)無い素晴らしい市民であるとでも主張するのか?

 

これ以外にも、少女の売春なども戦後の国民性の堕落の現れと主張するが、戦前の方が少女売春が酷く、高橋鐵の「日本の神話」や古くは宣教師ルイス・フロイスの著作にも詳述されている通りである。

 

この他にも国民の独立的志向が低いのは、日米安保に起因すると述べるなど、もはや唖然としてしまう。この他にも問題点はあるが飛ばす。

 

しかしながら、石原慎太郎氏とは、童話と同じ装置であると考えられる。童話とは、グリム童話が残虐であるように、もともとは政治的メッセージを含む警告であったのである。『赤ずきんちゃん』がその例である。このように共同体を守るための警告的ストーリーは古来から存在しており、日本でも『怪談』として残っているケースもある。

 

結局、石原慎太郎氏とは、部族感情が抜けない共同体主義者(=コミュニタリアン)なのである。典型的な保守主義者である。そして、ハイエクが書いた通り、700万年の狩猟採取時代に得た部族感情は未だに我々の心に残っており、石原慎太郎氏の主張が社会的に受け入れられるのである。

 

たしかに、同書を『警告的ストーリー』として読めば、数々の事実誤認などはタレブの言う『プラトン性』や『追認バイアス』で理解できる。しかし、残念なことに、同書をフィクションの『警告的ストーリー』と思わず、反米感情を抱くアホ保守が多いことは残念である。

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名誉毀損、インサイダー取引そして ニュース記事に関連したブログ

2011/08/20 23:05

 

日本の法体系は明治時代のドイツやフランスの影響を受け大陸型になっているが、小泉内閣下の司法制度改革審議会に始まり、近年は『法の支配』を重視する英米系の法体系への移行が計られている。

 

英米系の法体系で重要な概念に『malum in se』と『malum prohibitum』があり、両者には大きな違いがある。簡単に違いをかけば、前者が行為自体が犯罪に対して、後者は行為自体よりもコンテキストにより認識が異なる『犯罪』である。

 

例えば、殺人は狩猟採集時代であろうが、近代であろうが犯罪であり、それは『時代』や『場所』などのコンテキストによらず『行為』によって『犯罪』と認識されている。これが『malum in se』である。

 

一方、『飲酒』の場合、1930年代アメリカ(時代と場所)の禁酒時代のように、時代や場所などのコンテキストによって『犯罪』としての認識が違うのが『malum prohibitum』である。

 

さて、リバタリアンが主張するのは後者、すなわち『malum prohibitum』の廃止である。先ほどの禁酒以外にも、インサイダー取引、売春、ギャンブル、高利貸しなど様々な『犯罪』と認識されている悪行が『malum prohibitum』である。

 

インサイダー取引の合法化は今、もっともリバタリアン司法界でホットな話題である。WSJも近年同様の主張をしている。

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704224004574489324091790350.html

 

詳しくはかかないが、インサイダー取引とは『Due Deligence』(情報収集活動)の一環であり、経済学的にもそれほど市場への悪影響は少ない上に、場合によっては正しい情報に基づく株取引により株価が公平にファンダメンタルズに基づき決定されることになるなどの利点もある。

 

実は今から30年以上前に、ウォルター•ブロックは『擁護できない主張を擁護する』(=Justify the unjustifiable)を出版し、ハイエクをさえ驚かせるきわどい主張をした。それが、インサイダー取引の合法化であった。彼はその他にも名誉毀損、ゆすり、児童労働、高利貸しなどの非犯罪化も主張した。

 

ここでは、名誉毀損の非犯罪化についての主張を紹介する。彼によれば、『名誉』とは一般的に個人に帰属せず、当然所有権は無いため、他人が『名誉』を傷つけたとしても、当人の権利が侵害されたとはならないため、名誉毀損を犯罪とするのは間違いだと主張する。彼のいう通り、一般的に『名誉』とは社会的に形成される非像物であり、他人に当人が願う『名誉』を押し付けることはできない。例えば、私が私の名誉を高く他人に評価してもらいたいと思ったとしても、そもそも名誉とは他人が私をどう思っているかの産物であるため、自分の理想的名誉を他人に求めるのは間違っている。

 

さらに、ブロックは、名誉毀損が犯罪であるために、市民は『まさか新聞やテレビに間違った名誉毀損の話が載るはずが無い』と想定し、根も葉もない名誉毀損話に心理的に信じてしまう可能性が高くなっていると指摘する。よって、名誉毀損を犯罪でなくせば、逆に市民に対してより懐疑的に新聞やテレビを見ることにつながり、名誉毀損を社会的に少なくできると主張する。

 

このように、我々が『犯罪』と思っている行為が実は、それほど「悪』でないことは多々ある。今こそ、日本は大陸法から海洋法体系に移行し、さらに『malum prohibitum』を廃止し、より簡素なリバタリアン的法体系を構築するべきである。

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部族感情と闘う

2011/08/16 00:52

 

ハイエクは、平等主義や福祉国家に対して多くの人間が賛同する理由として『部族感情』をあげた。これは利己主義を罰することで共同体を守った狩猟採集時代の名残が『遺伝』しているということである。

 

このハイエクの『部族感情』説は近年の進化心理学で証明されている。例えば、『錯視』や『心霊写真』のように、我々の目は積極的に平面図形を立体的に見たり、遠近関係を絡めて見るようにしたりする。それらは、草原で生活していたときに、草むらに隠れる猛獣を積極的に察知するために鍛えられたとのである。

 

このように、狩猟採集時代の名残として、我々は情報の内容を覚えるのは得意だが、情報源を覚えるのが不得意という事実がある。これはエール大学のホブランド氏の研究なのだ。狩猟採集時代の集団は最大150人の小集団であるため、集団内の意思統一がされているため、有害情報を流す可能性が低いため、情報源よりも、小集団だからこその信頼を生かし、情報内容を覚えることに長けたのである。

 

このように、無意識的に『心』の中に埋め込まれた『部族時代』からの遺伝子が我々の行動や思考に影響を与えることが近年研究対象になっている。ヴントの内観心理学に始まり、最近では、心理学の研究成果が『行動経済学』にも生かされている。

 

例えば、行動経済学で有名な『確証バイアス』をご存知だろうか?もし今日1000円か明日2000円あげるとの選択肢があった場合、多くの人が今日の1000円を選ぶ。理由は、狩猟採集時代の名残である。当時は明日の食料も不安定であったために、確実な選択肢を選ぶのである。

 

これが安定性志向につながり、大きな政府による『社会保障制度』の維持への下支えにもなっている。

 

人間は約700万年もの間狩猟採集をしており、それ以前は霊長類として進化してきた。一方で、農耕や都市形成による安定的生活を人間が手に入れたのはたった1万年程度前といわれている。その差は歴然である。

 

しかし、今後も進化心理学が発展すれば、部族感情と闘い、より自由な社会の建築が可能になるかもしれない。

 

 

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